HOKI MUSEUM [Diary]
最近、仕事でミスが発覚し、気分が落ち気味な今日この頃。。。
ちょっと気分転換も兼ねて、家から100km離れたとある美術館へ出かけて来ました。
その美術館とは、千葉県士気にある「ホキ美術館」。
日本初の現代写実絵画のコレクションを収集した美術館です。
チューブ状のコンクリートを重ね合わせた独特の現代建築。
見た目も中身も非常に充実した作りです。
この美術館は2000年以降の新しい作品が多く、先月の開館直前に完成?された
物まであります。
写実絵画の基礎と言えば、ダ・ビンチ等に代表されるヨーロッパの伝統的な
絵画に見られます。まるで写真のように、四角いキャンバスに時間を封じ込めた
世界が広がります。
繊細な筆の使い方で、血管や髪の毛1本1本、葉や枝を表現し
リアルな世界観を追求しているのは当然なのですが、
一枚の絵が完成するまで気持ちが左右される事無く、
自分の追求したい表現を一本の筆に託す。。。
精神的にも絵に打ち込んでいる時間は、平静を保っていなければならず、
それが出来なければ、たった1本の筆のラインまたは色の配合で
絵の全体が死んでしまう。。。
写実絵画は、"表現に対しての執念"が価値になるのかもしれませんね。
そんな"表現に対しての執念"を味わえる作品がありました。
昔の大阪の、とある海の見える田園風景の絵画。
今ではその海には関空があり、その田園はビル街となり、
今となっては、実際には存在しない場所。
この画家は、30年以上前から英国に住み着き、その昔の頃の
鮮烈に残るその場所の"思い出"をキャンパスに描く。
写真でも無く、自分の頭に焼き付いた風景を遠く離れた英国で
描き続けた執念。 とても価値の有る絵でした。
美術館と言えば、一枚一枚を絵の近くまで寄って技法やテクニックを
中心に見ている方もいらっしゃりますが、もう少し離れて絵の全体を見る
とより絵の世界観の理解ができると思うのですが。。。
そのため、ゆっくり絵を見る事が出来ないのが残念です。