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マグロのきな粉まぶし [Design]

とあるメーカーのクライアントから、画像添付でリクエストが入りました。

「この売り場で1番目立つ感じにできませんか??」

一緒に添付されていたのは、とある販売店の売り場の写真。
手書きの蛍光色だらけのPOPツールで埋め尽くされた現状は
目が痛くなるほどのハデな使い・・・
ある季節のテーマを題材にして売場を作る、いわゆる"シーズナル"である。

蛍光色だらけの装飾に、各メーカーのカラフルなパッケージ。
すでに、使える色が無いほどで、棚割りですら雑然とした
あまりにも品の無い売り場写真・・・

これをどうすりゃいいの??
このリクエストの前に提案していたデザインでは、
メーカーのプランドとしては成り立つのだが、流通としては
少しおとなしいので、売り場に生えないとの解答だった。

早い話が、「うちのメーカーとしてのブランドは捨てて、もっと品無く。ハデに安っぽく。」
・・・な目立つデザインに変えてほしいとのリクエスト。 
こうなると、デザイン云々ではありません。

逆に周りの装飾と同化して目立たなくなるだけで落ち着かないと思うのだが・・・。
素材を変えれば(光り物等に)いいかも知れないけれど、コストが一気に3・4倍してしまう。
(どう考えても、対費用効果とは全く合わないのだ)
う〜む、弱った・・・、もしかしたら一番自分としてはやりにくいリクエストなのである。
そのツールで言いたいアピールもボケてしまうし・・・

そんな時に、「マグロのきな粉まぶし」の話を思い出しました。

「マグロのきな粉まぶし」・・・ある料亭のマグロの刺身にきな粉をかけたと言うメニュー。
どう考えても、不味いだろうし、粉っぽいだろうしし、普通考える事も無いと思う。

昔、ある名将と呼ばれる人達の集まりで、「誰も考えつかない奇抜な料理」と
言うリクエストを料理人に出した。
敵にも考えつかない奇抜な料理を食べて、敵にも考えつかない作戦で戦いに勝とう!!
・・・と言う意味での発注だったらしい。

料理人は悩んだあげく、名将に出した料理がこの「マグロのきな粉まぶし」。
名将はこれに満足し、縁起担ぎの1品料理として必ず注文したらしい。
これが他の名将にも受けて、名物料理???になってしまった・・・と言う話。

マズイ料理が名物になってしまう・・・
その料理を考案した料理人の事を考えると、悲劇でなりませんよね・・・。
料理人の命である"味"を評価されたのではなく、単に奇抜な"発想"が
評価されて、場合によってはそのイメージが固定化されてしまう。
名将の自己満足が逆に、料理人は料理人としてのプライドをズタズタに切り裂かれた
ようなものだったでしょう。奇抜なメニューを注文された時点で・・・。

さて、今回のリクエスト・・・・どう処理するべきか・・・


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Ja-Kou66

「品無く」…って、ずいぶん失礼なリクエストですね(^ ^;
(返って地味な方が目立ったりして)
マグロ刺身のきな粉まぶし!?・・・う〜ん・・・。
右習え、の世界ですな。。
by Ja-Kou66 (2006-12-10 11:16) 

てつやさん

>Ja-Kou66さん
今日は似たような売り場を見てきましたが、あの
蛍光色に勝てる色は・・・なかなかありませんね。
by てつやさん (2006-12-11 01:24) 

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